環境にも人にも優しく!サステナブルな日焼け止め4選
紫外線が強いこの季節。日焼け対策として、日焼け止めを使用されている方も多いのではないでしょうか。毎年、多くの日焼け止めが販売されていますが、どのような基準でチョイスしていますか?実は、日焼け止めの成分には、紫外線吸収剤などの化学物質が海洋汚染の一因になるとして問題視されていることも。今回は、環境にも人にも優しい「サステナブルな日焼け止め」を4つ紹介します。
日焼け止めの主成分とは?
日焼け止めには、紫外線が肌の内部に届くのを防ぐ成分が配合されています。その成分には大きく分けて2種類あり、「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」があります。
「紫外線吸収剤」は、化学的な仕組みでエネルギーを吸収し、熱などのエネルギーに変換して紫外線が皮膚の細胞に浸透するのを防ぎます。「紫外線散乱剤」は、物理的な仕組みで紫外線を散乱、反射させます。散乱剤(パウダー)が肌を均一に覆って紫外線を肌表面で反射、散乱させて紫外線の影響を防ぎます。
紫外線から肌を守ってくれる日焼け止めですが、サンゴ礁等環境への有害性が指摘される成分が含まれている可能性があるのです。
日焼け止めが、環境汚染に繋がっている?
日焼け止めに配合されている成分の紫外線吸収剤にあたる「オキシベンゾン」「オクチノキサート(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)」という物質が、海に流入することで、サンゴ礁に悪影響を及ぼし、最終的に死滅につながるといった研究結果が出ています。
アメリカ海洋大気庁(NOAA)によると、ハワイ島で56%、マウイ島で 44%、オアフ島で32%のサンゴ礁が白化を受け死滅していると言われています。
年間約4,000~6,000トンの日焼け止めが、人の皮膚からサンゴ 礁の海域に流れ出ていると報告されていて、この日焼け止めに含まれる一部有害成分(オキシベンゾンやオクチノキサート)がサンゴ礁を白化させ、死滅させてしまう原因なのです。
サンゴ礁や環境汚染を防ぐために、有害性が指摘される成分が含まれる日焼け止めの持ち込みを禁止するビーチもあります。
例えば、パラオは2020年1月1日、ハワイでは2021年1月1日から、有害物質が含まれる日焼け止めの販売・持ち込み・使用禁止を法律で定めています。日本での日焼け止めの使用規制はありません(2024年8月現在)が、有害性のある日焼け止めがサンゴ礁や環境汚染に影響を与えてしまうことに変わりはありません。日焼け止めを塗って海に入るといった機会が無い方も、生活排水等で巡り巡って海に流れ着き、知らぬ間に環境へ負担をかけている可能性もあります。
日焼け止めを選ぶ際には成分表示をチェックし、環境や人にも優しいアイテムを選んでみるのはいかがでしょうか?
ヴィーガンUVミルク(日焼け止め)|LA VIE STELLA
自然由来成分100%にこだわり作られています。環境に配慮して、容器はバイオプラスチックを使用。大人も子どもも、家族みんなで使用できる日焼け止め乳液です。石鹸で簡単にオフできて、肌への負担にも配慮されています。
他にも、国産有機・無農薬ハーブ使用し、合成防腐剤、紫外線吸収剤、合成界面活性剤、合成ポリマー、タルク、アルコール、BG、化学変換したオーガニック植物原料、ナノ化原料は一切不使用です。
売り上げの一部は、サンゴの保全活動へ寄付されています。
ノンケミカルUVミルク|MammaBaby
ママベビーさんでは子どもたちや敏感肌のためのプロダクトであるために「100%自然由来=本当のノンケミカル」と位置づけられています。たった1つしかない地球で共に生きる、海洋生態系の保護のためにもサンゴ礁などに影響を与える紫外線吸収剤などの化学物質は一切使用していないこだわりです。
森で、日焼け止め|森海谷
アウトドアを楽しむ方向けに、肌と環境に負担をかけないものを使ってほしいと作られたのは、虫を寄せ付けない香りの「森で、日焼け止め。」。ユーカリ、ラベンダー、ハッカ、ヒノキの爽やかな香りで、虫が嫌がるアロマ成分入りです。
無香料タイプの「海で、日焼け止め。」(50gのみ)もあるんですよ。
といった想いで、本製品を作られています。
紫外線吸収剤の代わりに紫外線反射剤である酸化亜鉛を採用し、生分解できる原料を可能な限り使用しています。
サンスクリーンバター spf50+|ALL good(オール グッド)
オールグッドさんの日焼け止めは、サンゴ礁を保護する「リーフフレンドリー」な商品。肌にうるおいを与えるヤシ油など6つの成分からできた、シンプル処方の日焼け止めです。耐水時間はなんと80分!
紫外線吸収剤不使用であるうえ、ナノ化していない酸化亜鉛を採用しているので、肌にも環境にも優しいアイテム。容器にはアルミ缶を使用しています。
おわりに
環境にも人にも優しい日焼け止めをご紹介いたしました。紫外線は、1年中降り注いでますので、毎日の生活に日焼け止めは欠かせません。日頃使う日焼け止めをチョイスする際は、「サステナブル」をキーワードに探してみてはいかがでしょうか?
【参考文献】
・花王「【成分・働き】紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の違いは?どうやって見分けることができるの?」
・Green Growers「サステナブルな日焼け止めとは?海洋汚染問題との関係性」
・ハワイ州観光局公式ポータルサイト allhawaii (オールハワイ)「【学ぶハワイ】ハワイの海を守ろう!」
・在パラオ日本国大使館「サンゴ礁に有害な成分を含む日焼け止めの禁止について」
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