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温暖化の影響で、秋も蚊が活発に?生態や刺されないための方法とは

季節はすっかり秋になり、過ごしやすくなってきました。しかし、過ごしやすくなってきたのは人間だけではありません。今まで、地球温暖化による猛暑が原因で活動ができていなかった蚊が、一気に活動をしてきています。筆者は蚊が大嫌い。大嫌いがゆえに、「秋にも蚊が活発化しているのはなぜ?」「どんな問題がある?」「蚊の生態や刺されない方法は?」といった疑問について調べてみました。


蚊の生態って?

蚊のエネルギー源は糖分で、普段は花の蜜などを吸って生活しています。メスだけが産卵のための栄養源として吸血し、オスは吸血しません。人が出す炭酸ガスや皮膚のニオイ・温度を感知して吸血源を探し求め、やってきます。

日本に生息している蚊は100種ほどで、私たちがよく見る蚊は、「アカイエカ」や「チカイエカ」、「ヒトスジシマカ」という種類です。

画像引用元:Wikipedia(アカイエカ)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AB

画像引用元:Wikipedia(チカイエカ)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AB

画像引用元:Wikipedia(ヒトスジシマカ)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%88%E3%82%B9%E3%82%B8%E3%82%B7%E3%83%9E%E3%82%AB

上記の図をみると活発に活動する条件は、蚊の種類によっても異なるんですね。ちなみに、耳元で「ぶーん」と音を立てて飛ぶのはほとんどアカイエカだそうですよ。

地球温暖化によって蚊の活発になる時期が変わっている?

多くの蚊が、約20~30℃の気温を好み活動をしていることが分かりましたが、気温が35℃以上になると、蚊は活発ではなくなるそうです。「気温が蚊の活動にどのような影響を及ぼすのか」という実験では、約24℃と約35℃の気温の箱を用意し、その中に蚊を入れました。すると、涼しい箱の方がより蚊に刺されるという結果がでたそうです。

夏になると蚊が湧くイメージがありますが、2023年7月~8月の最高気温(東京都)を見ると、35℃を上回っており、蚊が活発になる気温をはるかに超えていることが分かりました。

また、下記図は、東京の最高気温の平均値をまとめたものです。25~30℃の時季に活動が活発になるとされているヒトスジシマカは、これまでは主に6~9月の期間でしたが、近年は5月も最高気温の平均値が25℃を超えています。

画像引用元:環境省(地球温暖化が進むと秋も蚊が活発になる!? 懸念される感染症の脅威とは

さらに、2076~2095年の秋(9~11月)には、全国で4.5℃前後の気温が上昇するという予測があり、こうした予測値を上図の10月欄に反映すると、25℃を超えることになり、活動時期が10月までずれ込んでしまうのです。

このように、地球温暖化の影響で蚊の活動時期に変化が起きていますが、懸念されるのは活動時期だけではありません。

蚊の害は、痒いだけじゃない!

冒頭にも述べたように、筆者は大の蚊嫌い。なぜかというと、とにかく痒い!これがとてもストレスなのです。痒くて触ると、どんどん大きくなって……。

ですが、蚊に刺されて最も恐ろしいのは、感染症にかかること。気温が上昇すると、蚊の生息地が広がり、活動期間も長くなるため、蚊による感染症の流行リスクが高まることが予測されています。

病原体を保有する蚊に刺されることによって起こる感染症のことを「蚊媒介感染症」といい、主に、ウイルス疾患であるデング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症、日本脳炎、ウエストナイル熱、黄熱、原虫疾患であるマラリアなどがあります。

これらの蚊媒介感染症は年間を通じて暖かい地域で流行することから、地球温暖化による気温上昇は感染症の流行にも大きく関係しているのです。

環境省「地球温暖化と感染症」

地球温暖化によって気温が上昇することで、冬季に死滅していた蚊が越冬したり、蚊の発生数や病原体の自然宿主が増加したりと、感染症が広がる後押しとなってしまうのです。

蚊から身を守るための対策は?

痒みや感染症を防ぐには、蚊に刺されないことが絶対条件です。蚊から身を守るための方法を、いくつかご紹介します。

発生源を断つ!

蚊に刺されないために、身近にある発生源を減らすことも大切です。厚生労働省は、蚊の発生源を断つべく、リーフレットを掲載しています。蚊の幼虫であるボウフラが育つ、たまり水を無くす、陰になりやすい備品等を片付けるなど、自宅でもできる対策ばかりなので、是非参考にしてみてください。

<厚生労働省>
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/0000165986.pdf

刺されないポイントを知る!

東京保健医療局が掲載している「蚊をなくして安全・安心!-感染症を媒介する蚊の発生防止対策-」では、蚊に刺されないために基本的な対策が記されています。
「肌の露出を控える」「忌避剤を使用する」「風通しの悪い草むら等は無くす」など、蚊が好む状況や場所を知ることで、刺されないように対策ができますね。

<東京保健医療局>

https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kankyo/eisei/yomimono/nezukon/mosquito.files/R5kari-fu.pdf

蚊連草を育ててみる

蚊連草は遺伝学者ファンリーニ氏が長年の実験的異種交配により研究開発した植物。秘密はその「香り」にあり、蚊連草に含まれる「シトロネラール」は蚊に対する忌避効果と蚊の二酸化炭素察知能力を低下させる効果があるといわれています。蚊を全く寄せ付けないわけではないようですが、蚊連草にとまった蚊は炭酸ガスを察知する能力が鈍り、刺しにくくなります。

ハッカ油を試してみる

北見ハッカ通商が販売している「ハッカ油」。
本来はお菓子作りや紅茶のエッセンスなどに使われる「食品添加物」ですが、虫はハッカの臭いを嫌う性質があるため、希釈したハッカ油を衣服等に吹きかけることで寄り付きにくくなると言われております。原料は和種のハッカ草から蒸留抽出したもので、安心して利用できます。使い方はティー・リキュール・菓子等の食品の香料として、また、マスク、ハンカチやオシボリ等へ着香料、芳香剤としても利用できます。

※ 北見ハッカ通商では環境及び動物に対しての実証実験は行っておりません。

使用上の注意は、下記の通りです。

<用法、用量を守る>
・ハッカ油の原油を皮膚に直接つけると刺激が強すぎる。(ヒリヒリする)
・高濃度のスプレーを植物にかけると葉を傷める恐れがあります。
・妊娠・授乳中の方や乳幼児等の抵抗力の弱い方は使用を控える。
・ハッカ油は一部のプラスティック製品を溶かしてしまうため、ご留意ください。

<その他>
・猫を飼っている家では使わない。⇒ 猫の肝機能に悪影響を及ぼす可能性があるため。

いかがでしたか?蚊の生態を知ることで、刺されないための対策が取りやすくなったのではないでしょうか?
また、蚊の活発化には、地球温暖化も関わっていることが分かりました。根本的な解決のためには、地球温暖化の対策をすることも必要です。

日新火災withCaNdayでは、気候変動に向けて何ができるか、自分たちができるアクションについても紹介していきます。そちらも併せてチェックしてみてください!できることから対策しましょう。

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