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実はお財布にもやさしい?サステナブルに“かしこく買う”を実践しよう!

「かしこく買う」というと、どんなアクションを思い浮かべますか?「コスパのいいものを買う」「無駄のないように買い物する」といったことでしょうか。物があふれた社会、更に物価が上昇している現在、買うことに対しての見方を変えてみると、もっと違う視点が見えてくるかもしれません。
そこで今回は様々な視点からの“買う”を参考に自分たちもできるアクションをご紹介したいと思います。

「かしこく買う」ということが注目されている背景

最近、物価が上昇しているといったことをよく耳にします。実際身近なものの値上げが相次いでおり、総務省の消費者物価指数によると、ここ10年で徐々に上昇し、特に2021年から急激な物価上昇となっていることが分かります。

(総務省統計局:消費者物価指数(CPI)結果)
【参考】2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年度(令和5年度)平均(PDF:423KB)

気候変動や紛争、日本でいえば円安(10年前: 100円/1ドル→現在: 150円超/1ドルと10年で1.5倍)の影響も受けており、特に生鮮食品など食料品や、エネルギー(電気・ガスなど)が高騰し、私たちの生活へ直接のダメージも大きいことから、「かしこく買う」ということが注目されています。

「かしこく買う」にかかわる視点・価値観

しかし、物価上昇に関して影響を受けているのは、日本だけではありません。“買う“という視点において、世界に目を向けてみると、イギリスやフランスなどの欧州の企業では、「完璧」を求めない動きが進んでいます。

ウォンキー・ショッピング

“wonky”とは、英語で「不安定な」「ぐらぐらする」「曲がった」という意味で、「完璧でない商品を販売・購入する習慣」を表すキーワードとして、イギリスの小売業者や生活者の間で広がっています。大手スーパーチェーンが規格外生鮮食品や野菜・フルーツをパッケージにして販売したり、通常よりも低価格で提供したりするなどの取り組みを開始しています。

シャンパーニュのボトル

また、フランスでは、リサイクルのガラス瓶でワインボトルを作る際にも、色味の違う「規格外品」が出てしまうが、これをある程度許容し、少しずつ違う色合いのボトルを採用し販売するなど、廃棄を減らそうとする取り組みが広がっているそうです。

この様なことから、完璧ではないモノを受け入れる社会へと価値観を変えていくことは、「綺麗」を求めがちな日本人も学ぶべきかもしれません。

私たちに出来ることとは?

この様な視点から、実際に日本に住む私たちにできることについて考えてみたいと思います。

例えば、環境への配慮として、デッドストック品や規格外品の購入、コンビニ・スーパーの食品ロスをなくす取り組み(手前取りや季節商品の予約など)に賛同することや、廃棄問題について知るなどはすぐに行動できる身近なアクションではないでしょうか。

 ファッション業界でいうと、日本では1年間で供給される約29億着の衣服のうち約15億着もの衣服が売れ残り廃棄されていると言われています。
私たちもサステナブルファッションについては実際に取材して記事にしていますので、ぜひ読んでいただければと思います。

実は捨てられずに家に多く眠っているものがたくさんある

「データで見る消費者とリユース」には、「昨年いらなくなった/使わなくなった物は何?」という問いに、書籍がいらなくなった人は 38.5%、衣類・服飾品が 27.0%と回答しています。そのうち、書籍は 62.3%、「衣類・服飾品(ブランド品を除く)」では 54.6%の人が退蔵(物が不用になっても、捨てずに取っている)しているという調査結果が出ています。

【参考】環境省「データで見る消費者とリユース」

 物がない時代から安くてなんでも手に入る時代を経て、退蔵となってしまった物たち。そのような現状も踏まえ、当社では、使えるけど眠ってしまっているものや、使わないけど捨てるのはもったいないものなどを社内で集め、チャリティーバザーを開催しました。SDGs目標でもある、「つくる責任、つかう責任」を考える機会としています。

日本でも実践できる生活の中で「かしこく買う」方法

そこで私たちも身近で実践できる方法について調べてみました。

PASS THE BATON MARKET

規格外品やデッドストック品(いわゆるB品やD品と呼ばれるもの:店頭に並ばなかったもの、店頭に並んだが売れ残ったものなども)を集めたマーケット。ファッション雑貨・アパレル・キッズ・器・雑貨・コスメ・インテリア・花​・食料品までおしゃれに様々取り揃えてあります。

KURADASHI

賞味期限が近づいているものや、パッケージの印字ミスや少しの傷が出来てしまったものなど、まだ食べられるのにフードロスとなってしまう商品を購入すると、フードロス削減だけでなく、売上金の一部が寄付となるという「ソーシャルグッドマーケット」。楽しくおトクに買い物ができ、それが社会貢献活動に繋がります。サイト内では支援レポートといってイラストで分かり易く社会貢献度を示してあり、利用者からは実感がわくとの声もあります。

未利用魚のサブスク「フィシュル!」

日本の持続可能な水産業のために「食の三方よし」を目指し、味は美味しくても、見た目や加工しやすさなど様々な理由で、規格外として扱われた「未利用魚」を積極的に活用し、全国の産地から直接仕入れた鮮度のいい状態で、味付け瞬間凍結。解凍し、そのまま、ひと手間加えるだけで食べられるという、お魚ごはんの定期便。
手軽さもあり、様々な魚を食べるきっかけにもなり常備しておくのにも良さそうです。

バリューブックス

捨てられていたかもしれない本や読まれずに本棚に眠っていた本を、次の読み手に届ける古本の買取と販売を行っており、市場で価値がつかなかったものの行き先を考え、移動販売車やカフェを併設した書店等を構えたり、低価格で販売するなど、循環型の取り組み行っています。こちらは実際筆者も利用しており、読み終えた本が素敵に循環すると思うと気持ちよく手放せるのです。

番外編:そもそも「買わない」という選択も

先ほどは、身近に出来る「買う」方法をお伝えしましたが、そもそもの「買う」を見直すこともひとつの方法として考えることも選択肢としてあげておきたいと思います。

現代社会が抱える消費主義の問題点を知り、脱消費の考えを取り入れてみることや、消費を煽らないブラックフライデーからグリーンフライデーへと考え方をシフトしてきている企業の取り組みを見てみるといったことも、アクションの一つではないでしょうか。

筆者も、しっかりと考えて「買う」ようになったことで、お気に入りとしてものを長く使うようになり、また、あるものを代用することや、循環させることを意識し始めて、消費することが少なくなったという変化もありました。

おわりに

「買う」という一言でも、社会や環境を配慮した様々な考えやマーケットが出てきています。1人ひとりの行動が社会を変えるということを実感し、今までの買い方から新しい視点へ、少しでも社会に貢献できるようなきっかけからアクションに繋がれば幸いです。

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