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“もったいない”が救う、食品ロス。明日からできる、食料廃棄を減らす方法

あなたが食べ物を捨ててしまう、残してしまう時ってどんな時ですか?
「食べ物が口に合わなくて……」
「賞味(消費)期限が過ぎてしまって……」
「食べきれなくて……」
など、さまざまな理由があるかと思います。

現在、世界の食料廃棄は年間約13億トンもあります。多くの方はこれが多いのか、少ないのかが判断できないかもしれません。
もっとわかりやすく言うと、食料生産量の約3分の1が廃棄されている、ということです。
また、日本でも年間約612万トンが廃棄され、これは1人当たりお茶碗1杯分/日に相当します。

これだけの量の食料が捨てられてしまっている現実を知っていた人も、知らなかった人も。
この記事を読んで、世界で起きている「食品ロス」の問題について、私たちにできることを一緒に考えてみませんか?

「食品ロス」って?

「食品ロス」とは、食べられるのに捨てられてしまう食品のことです。
農林水産省のホームページを見ると、食べられない食品も含めて「食品廃棄物」という言葉も使っています。

なぜ、最近になって「食品ロス」という言葉が頻繁に出てくるようになったのでしょう。
2015年に採択された、SDGsのゴール「12:つくる責任 つかう責任」のターゲット12.3に以下の記載があります。

2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。

SDGsの目標とターゲット

SDGsで明確に「食品ロス」を減少させるという目標が掲げられました。
日本の法律では、2019年10月から「食品ロスの削減の推進に関する法律」で国や地方公共団体などの責務が明確になったことが大きな要因となりました。

国際食料(FAO)「世界の食品ロスと食料廃棄(2011年)」

食糧危機は人ごとではない?今、食品ロス問題を考える意味

近年、多数発生している豪雨や台風などによる自然災害は、私たちの食生活に も大きな影響を及ぼしています。
こうした自然災害が増えると野菜などの作物が不作になり、作物を餌に飼育されている動物の肉や乳などの値段が上がってしまいます。その結果、いつも食べていた食品がなかなか手に入りにくくなることが予想されます。
食糧危機は他人事ではなくなってきているのです。

自然災害は気候変動が原因と言われており、気候変動への対策が急がれています。
一方、私たちが実際に食糧危機に直面することを考えると、日頃から食品を無駄にしない暮らしを心がけていくことが大切です!

また、廃棄された食べ物を処分する際に排出されている温室効果ガスは、気候変動の一因になっています。
これらを踏まえ、1人ひとりができることを行い、食品ロス削減に貢献していきたいですね。

私たちにできること

食品ロスについて、どれだけ深刻な問題なのかは理解できても“廃棄を減らすのは難しい”と思っている方も多いかもしれません。廃棄を減らすため、私たちができることは何かを一緒に考えてみましょう。

「期限」について正しく理解する

賞味期限と消費期限、2つの違いをご存じですか?
農林水産省によると、賞味期限は「おいしく食べることができる期限」のことで、消費期限は「期限を過ぎたら食べない方が良い期限」のことを指しています。ただし、どちらも食べ物が入った袋などが未開封で、正しく保存されていることが条件です。

賞味期限が過ぎているから、と言って捨てるのは、もったいない!簡単に廃棄するのではなく、食べられるかどうかを見た目やにおい、味などを確認して、判断しましょう。
(すでに開けてしまった食べ物は、期限に関わらず早めに食べましょう)

商品購入時には「てまえどり」を意識

スーパーの商品棚から賞味期限が長いものを取ろうとして後ろの方に手を伸ばした経験、ありませんか?
食品を売っているスーパーやコンビニの商品棚の手前の商品は、賞味期限の短いものが置いてあります。これは商品の保管している期間が長くなり、鮮度が低下しないようにするため、私たちの手に取りやすい場所に置いてあるんですね。

消費者庁によると、現在、小売店舗において商品棚の手前にある商品を選ぶ「てまえどり」を呼びかける啓発を行っています。
今後、近いうちに食べるものを買う時は商品棚の手前にある商品を取る「てまえどり」を意識してみましょう。

食事バランスガイドで適正量を知る

厚生労働省と農林水産省が出している「食事バランスガイド」をご存じですか?
「食事バランスガイド」とは、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいのかの目安を分かりやすく示したものです。
「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」の5つの種類に分かれており、「つ(SV)」という単位で示されています。

成人の食事の目安量について、厚生労働省のe-ヘルスネットに以下のような記載がありました。

成人(厳密には高齢者を除いた身体活動レベルが「ふつう」以上の成人女性や身体活動レベルが低い成人男性)の場合、コマのイラストにあるように主食は5~7つ(SV)、副菜は5~6つ(SV)、主菜は3~5つ(SV)、牛乳・乳製品2つ(SV)、果物2つ(SV)が1日の目安になります(エネルギー必要量2200~2400kcalに相当)。

e-ヘルスネット

また、食品メーカー・明治 のホームページに は「食事バランスガイド」を基にした「食の栄養バランスチェック」があり、健康のための理想的な食事量や栄養バランスについて知ることができます。

適正量を知って注文することで、バランスよく栄養が摂れるだけでなく、食べ過ぎ、注文しすぎを防ぐこともできます。
また、その日の体調によっては食べられる量も変わるはず。自分の身体と相談しながらおいしく食べられるのが理想ですね。

フードシェアリングサービスを利用する

「フードシェアリングサービス」とは、小売店や飲食店の売れ残りや余剰食材のような廃棄されてしまう食品や料理などを消費者に提供するサービスで、スマホアプリを用いて手軽に利用できるため注目されています 。
私たち消費者は通常よりも安い価格または無料で食品を購入でき、飲食店などは廃棄予定の食材を販売できるためWin-Winの仕組みです。

今回ご紹介するのは、日本初のフードシェアリングサービスを展開した「TABETE」。
TABETEに登録している飲食店が「この商品を何食分救済して!」と告知します。ユーザーは近くのお店や食べたいものがあれば、「レスキューにむかう」と予約が可能です。

予約時には引取時間を設定、クレジットカードで事前決済を行い、指定の時間になったら、あとはお店に取りに行くだけ!
商品を捨てることなく、おいしく食べることができるのはお店にとっても自分にとってもいいことですね。

TABETE(App Store)

TABETE(Google Play)

もし食べきれない場合は持ち帰り!

飲食店のメニュー表は、どれも美味しそうで誘惑だらけ!結局、あれもこれも食べたくなって、たくさん頼んでしまうことも……。このように、もし万が一、食べきれない場合でも、料理を持ち帰ることができるサービスを行っているお店があるんです!

ガストやバーミヤン、ジョナサンなどのすかいらーくグループでは、「すかいらーく もったいないパック」というサービスを展開。各テーブルに設置されているタブレットから無料で持ち帰り用の容器を持ってきてくれます。

また、ロイヤルホストやデニーズなども「mottECO」という環境省の取り組みに参加しています(※実施店舗はホームページをご確認ください)。

消費者庁・農林水産省・環境省が出している「外食時のおいしく 『食べきり』ガイド」では、料理の持ち帰りについて以下のように記しています。

★「持ち帰り」には、料理を衛生的に扱える力、衛生的に食べられるか怪しいと思ったら捨てることのできる判断力、おいしい料理を提供してくれるお店を大切にする気持ちが必要です。

外食時のおいしく『食べきり』ガイド

料理を持ち帰ることは、食品ロス対策に繋がりますが、衛生上の問題もあります。以上の注意点を理解した上で持ち帰りを行うようにしましょう。

外食時のおいしく「食べきりガイド」

最後に

1人ひとりが食品ロスを少しでも身近な問題として意識していけば、取り組みは進んでいくと思います。
栄養バランスが考えられた料理をおいしく食べることは、自分の健康にも繋がることです。食べ物をおいしく食べて、食品ロス削減を一緒に実現していきましょう!

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