期限切れの非常食、どうする?企業が災害備蓄品を活用するアイデア
記録的豪雨が日本各地で発生しています。地震や津波さらには大雨など私たちの想像を遥かに上回ってくるような災害は、遠い先に起こるものではなく、いつ起きてもおかしくないような状況が続いています。災害が発生した際に重要になってくるのは、まずは自身の安全確保です。そして、職場にとどまることになった際には、水や食料品などの災害備蓄品の確保が重要になってきます。今回は、災害備蓄品に注目して、より有効的な活用についてご紹介していきたいと思います。
企業で用意している災害備蓄品について
東京都では、2011年3月11日の東日本大震災において、鉄道等の運行停止により、多くの帰宅困難者が発生し、駅周辺や道路が大変混雑したことを受け、帰宅困難者対策を総合的に推進する条例を2013年4月に施行しました。
この条例では、個人に対して、むやみな移動の抑制、事業者に対しても従業員の一斉帰宅の抑制や連絡手段の確保などと共に、従業員が施設内に留まることができるよう、3日分の防災備蓄品準備を努力義務としています。備蓄品の例としては、ペットボトル入りの飲料水や、アルファ化米、クラッカー、乾パンなどがあります。
企業が抱えている課題とは?
災害が発生した時に備えて、日頃から備蓄品の管理を徹底することが大切です。しかし、日頃の業務に追われ、賞味・使用期限の管理や、廃棄等中々手を付けられないことも多いのではないでしょうか。
実際に、企業・各省庁にとっても課題となっており、例えば、賞味期限が切れた備蓄品については、廃棄を迫られ、各省庁が備蓄している100万食のうち、年間約20万食が賞味期限切れによる廃棄処分の対象になっています。全国の各企業を含めると、さらに多くの防災備蓄品が廃棄されていると想定されています。
災害備蓄品の有効活用事例をご紹介!
これらの課題を解決するために、様々な取り組みがなされています。以下で各省庁の取り組みと企業と民間団体をつなぐプラットフォームについてご紹介していきます。
各省庁の取り組み
災害用備蓄食品について、食品ロス削減及び生活困窮者支援等の観点から有効に活用するため、入れ替えにより災害用備蓄食品の役割を終えたものについて、原則として、フードバンク団体等への提供を推進しています。
農林水産省の国の災害用備蓄食品の提供ポータルサイトでは、各省庁の情報提供サイトのリンクが掲載されているので、リンクにアクセスして、申し込みの手続きをすることができます。
Stock Baseの取り組み
Stock Base(ストック ベース)とは、賞味期限前の災害備蓄品を有効活用する民間のプラットフォームです。
災害備蓄品を必要とする団体との企業の間での手続きを代行するだけでなく、提供後の団体内での利用の様子も企業側はプラットフォームを通じて知っていくことができます。大企業の場合だと、数万食にも及ぶ非常食を届けることができるため、フードロスを大きく削減することができます。このようなプラットフォームも出てくる中で、災害備蓄品をしっかりと管理したい企業側と、無償で必要な食品を受け取りたい支援団体の間での連携はますます注目されるようになっています。
おわりに
災害備蓄品は、その名の通り災害に備えておくものであり、備蓄してあることに意味がありますが、実際に使用されず期限が過ぎてしまうと、ゴミとなってしまう課題もあります。今回の記事では、災害備蓄品を少しでも有効活用すべく、様々な工夫が行われていることを知りました。また、個人で普段から災害に備えることも重要です。こちらの記事もぜひご参考にしてくださいね。