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普段の持ち物を見直すだけで防災?荷物を増やさない“フェーズフリー”な備え方

来る9月は「防災月間」。いつ起こるのかわからない自然災害に備え、防災に関する知識を深める期間です。皆さんはいざという時のために、備えはできていますか?

こちらは、首相官邸が発表している「災害の「備え」チェックリスト」を元に作成した、非常用持ち出し袋にいれる物の一覧です。

首相官邸「災害の「備え」リスト」

非常用持ち出し袋があれば、家で災害が起こった時に安心できます。しかし、必ずしも家にいるタイミングで災害が起こるとは限りません。
もし、外出中に災害にあったら……?何を持っておけばいいのか、一緒に考えていきましょう。

普段の持ち物から見直す“0次の備え”が肝心です!

阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センターでは、「災害時、被災地に救援物資が届くまでの3日間程度を自足してしのぐための備えを『1次』『2次』の2つの段階で設定」しています。1次の備えは「非常用持ち出し袋」、2次の備えは「3日間は生活することができるだけの水や食材などの備え」のことです。この2つは、すでに準備している方も多いかもしれません。
しかし、0次の備えを行っている人はあまり多くないのではないでしょうか?0次の備えとは、1次の「非常用持ち出し袋」の中から携帯できそうなグッズを常時身に着けることです。
まずは1次をしっかり備えた上で、0次と2次を準備しておきましょう。

0次の備え、何を用意する?

0次の備えをしたくても、「できれば荷物を増やしたくない」「いま使っているバッグにそんなに入らない!」と思われる方もいるかもしれません。では、実際に0次の備えにはどんなものが必要なのでしょうか?
阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センターの「減災グッズチェックリスト」の0次の備えに丸がついているものをリスト化してみました。

阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター「減災グッズチェックリスト」

改めて購入する必要があるものは少なく、家にあるものなどで準備できそうなものが多いですね。

荷物を増やさず出来る!フェーズフリーな備え方

フェーズフリーとは「いつも使っているモノやサービスを、もしものときにも役立てることができるという考え方」のこと。例えば、アウトドアグッズは、非常時でも外で調理したり、居住スペースをつくったりと家族の安全をしっかり確保できます。
このように、いつもの生活で使っているものが、もしもの時に役立ったらとても便利ですよね。

もしもを想像してみよう

スマホや手帳、現金……では、実際に、普段の持ち物をどのようにフェーズフリーに役立てるのか、一緒に考えてみましょう。

電話が繋がりにくくて連絡できない

大きな災害があった際、家族や大切な人と連絡を取ろうと思っても、電話回線が混雑して繋がりにくくなってしまうことがあります。そんな時はどのように連絡を取るのがいいでしょうか。

▶インターネット回線が繋がっている場合
LINEなどのSNSを利用しましょう!LINEは、インターネット回線が繋がる環境であれば利用可能。LINEを利用し、家族や友人、大切な人へメッセージを送ることができます。
また、電話番号を入力すれば、安否の登録や確認ができる、災害用伝言版(web171)も利用可能です。

NTT東日本「災害用伝言版」

▶インターネットも繋がりにくくなっている場合
公衆電話を使ってみましょう。受話器を上げてから硬貨を入れ、かけたい電話番号のダイヤルを押して使います。なお、かける時間帯や距離によって話せる時間が変わるため、注意が必要です。
公衆電話は、現金(10円か100円)かテレフォンカードで利用ができます。近年、キャッシュレス化が進んでいますが、万が一スマホで連絡が取れなくなった時のことを考えて現金を持っておくことをおすすめします。
また、手帳に家族の連絡先などを記しておけば、スマホのバッテリーを気にせずに連絡先を確認することができます。

NTT東日本「公衆電話 設置場所検索」
NTT西日本「公衆電話 設置場所検索」
NTT東日本「公衆電話の種類と利用方法」

電車から降りられない

これは筆者が、仕事帰りの電車の中で大きな地震に遭った時のことです。電車は安全確認のためにその場に停車し、再開まで車内に待機することに。そんな時、役に立ったのはあのアイテムでした。

▶気持ちを落ち着けたい時
周りの人のイライラや心配が伝わってくる電車内は、とても居心地が悪く、不安が大きくなるばかりでした。そんな時、通勤カバンのポケットに飴を入れていたことに気付き、それを口に含んだら、少し気持ちが落ち着きました。
このような場面に遭遇した時のことを考え、飴、チョコなどを普段から持ち歩いているといいかもしれません。焦りや不安を落ち着けるのにピッタリです。

▶暑い時/寒い時
電車内で冷暖房が止まってしまった時のことを考えてみましょう。
暑い夏は熱中症対策のためにも、適度な水分補給が必要です。カバンにマイボトルを入れておくことで、いつでも水分補給できます。
また、寒い冬は風呂敷が役に立ちます!筆者は“何かあった時用”で風呂敷をカバンに忍ばせています。実際にマフラーを忘れた際に首に巻き付けたり、ひざ掛けにしたり……と、活用方法は様々。防寒対策以外にも、マイバッグや包帯の代わりとして利用可能なため、1枚持っておくと大変便利です!

帰宅困難者になった

自宅から離れた場所で大きな災害があると、電車などの公共交通機関が止まることも。その際、帰宅が困難になった方を「帰宅困難者」と呼びます。
外出先で大きな災害があった時、自宅まで帰ろうとすると二次災害に遭う可能性もあります。無理に帰宅せずに、各地域にある「一時滞在施設」に避難するようにしましょう。
一時滞在施設は、ご自分の住んでいる地域のHPでご確認ください。
(※事前に情報を公表していない場合もあります。)

▶一時滞在施設で待機後、自宅まで歩いて帰ることになった場合
東京都防災ホームページには一時滞在施設について、以下のように書かれています。

災害が発生した後、およそ72時間は、救命救助活動を通じて1人でも多くの命を救うことが最優先となります。そのためには、帰宅困難者の一斉帰宅を抑制し、大渋滞により救急車等が到着できないといった状況を防止することが重要です。
学校や企業など、身を寄せる場所にいる際に大地震に遭った時は、その施設で安全にとどまることが基本となりますが、移動中など屋外で被災した帰宅困難者については、一時滞在施設で待機していただくこととなります。

東京都防災ホームページ「一時滞在施設などの情報」

災害の規模にもよりますが、災害発生後72時間以降に、まだ公共交通機関が復旧していない可能性も考えられます。徒歩で自宅まで帰る場合、スマホに入っている地図アプリを利用しましょう。災害によって道が塞がれている可能性もあるため、自宅にたどり着くまでのルートを事前に複数把握しておくとよいでしょう。

おわりに

東日本大震災の時、中学生だった筆者はショッピングセンターで母と買い物をしていました。他の家族と連絡が取れず、いつ帰ることができるかわからない状態でパニックになっていた記憶があります。そんな時、母が持っていたカイロで一生懸命温めようとしてくれたこと、お店の人たちが甘いお菓子をくれたことは今でも忘れられません。

いつどこで起こるかわからない自然災害。お家でも出先でも、もしもの時に対応できるように備えておきませんか?

【参考文献】
首相官邸「災害に対するご家庭での備え~これだけは準備しておこう!~」
阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター「減災チェックリスト」
PHASE FREE フェーズフリー総合サイト
LINEみんなの使い方ガイド「緊急時に役立つLINEの使い方」
東京都防災ホームページ「一時滞在施設などの情報」

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