日常使いのものこそ、こだわって。エシカルなボールペン3種
突然ですが、みなさんはボールペンをどんな基準で選んでいますか?使い勝手でしょうか。価格でしょうか。それともデザインでしょうか。
日常の中で何気なく使用するボールペンですが、その素材や製品の成り立ちにまで着目して選ぶことは普段なかなかないのではないかと思います。
今回ご紹介するのは、「エシカル」なボールペンです。素材や製造工程、廃棄方法……様々なこだわりの詰まった3つのボールペンを一緒に見てみましょう。
森林認証の木材とリサイクルできる芯、PENON
「PENON」は、株式会社ペノンが展開するブランド。ペン軸には、伐採した量以上の植林が約束された森林認証(PEFC)の木材が使用されています。いくつかあるシリーズの中から「メガネペンシリーズ」(税込¥1,200)という商品を購入し、使用してみました。
メガネペンは写真のような包装に入っていました。製品が入っていた梱包箱もオール紙素材で、プラスチック包装は一切ないという徹底ぶり。
一般的なボールペンと比べて軽く、使い心地はさらっと書けて書きやすかったです。最大のポイントは芯。替芯(税込¥250)を購入した際のパッケージが返信用封筒になっており、使い終わった芯を入れてポストに投函すると、PENONと提携するリサイクル会社が分別し、ステンレス部分は溶かす形で、プラスチック部分は再生燃料RPF(※1)の素材にリサイクルされるそう。
使い切った後の芯をメーカーが回収・リサイクルする事例は日本の文具業界で初とのことです。
▼PENONのブランドサイト
本体の原料はバナナの茎!ザンビアのバナナと越前和紙がコラボしたバナナペーパーボールペン
続いてご紹介するのは、こちらの「バナナペーパーボールペン」(¥418)。ワンプラネット・ペーパー®︎協議会が推進しているバナナペーパーからできた製品です。バナナペーパーは、ザンビアのバナナの茎から取れた繊維と越前和紙がコラボし、古紙やFSC認証パルプを加えて作っている日本初のフェアトレード認定の紙。
実際に使用してみると、和紙らしさを感じる手触りが心地よく、持っても軽く、使いやすかったです。バナナペーパーボールペンはレターパックライトで届いたのですが、開けてみるとペンのみが入っており、余計な資源は使わないという強い意志を感じました。こちらのペンは替芯がないようですが、和紙部分は土に還るそうなので、使い終わったらペン部分を外して土に埋めてみましょう。
バナナは1本の茎から1度しか実が取れないため、茎は通常、捨てられてしまいます。ザンビアのバナナ農家から茎を買い取り、ザンビアの工場で繊維を取り出して日本へ発送、越前和紙工場で紙にすることで、茎をゴミとせず資源として有効に活用しています。
バナナの茎は1年で再生しまた新たなバナナができます。一方で紙の主原料である木が再生するにはもっと時間がかかってしまいます。バナナペーパーボールペンは、森林に優しい取り組みと言えるのではないでしょうか。さらに、フェアトレード認定されているバナナペーパー事業により、極度の貧困にあったザンビアの人々の暮らしが徐々に改善しているそうです。
▼バナナペーパーのさらなる詳細
▼ワンプラネット・ペーパー®︎協議会HP
▼ミヤザワ株式会社
▼ここから購入しました
海洋ごみとリサイクル素材の合わせ技!スーパーグリップG オーシャンプラスチック
PILOTの「スーパーグリップG オーシャンプラスチック」(税込¥110)。こちらは、国内で初めてボディの一部に海洋プラスチックごみを再生樹脂として使用しているボールペンです。アメリカに本社を置き、世界20以上の国と地域でリサイクルプログラムを実施している企業・テラサイクルが、日本国内で収集した海洋プラスチックごみを使用しています。
再生樹脂とその他のリサイクル材が、消耗部分を除いた全プラスチック重量中の74%を占めており、エコマーク認定商品やグリーン購入法適合商品に選ばれています。
海洋プラスチックごみは徐々に劣化していき、やがてマイクロプラスチックとなります。海に棲む生き物だけでなく、私たちの身体への影響も心配されています。毎年約800万トンもの量が海洋に流出しているといわれるプラスチックごみ。全てを回収し切るのは難しいかもしれませんが、このボールペンは私たちがプラスチックごみについて考えるきっかけになりますね。
▼スーパーグリップG オーシャンプラスチックの詳細はこちら
普段使うボールペンから、エシカルに変えてみては?
文房具は、毎日のように使うものですし、価格もお手頃なものが多いと思います。冒頭でも触れたように、ボールペンは使い捨ても多く、買い替え頻度も高いことが多いです。
そして、プラスチックが本体によく使用されています。そんなボールペンをエシカルに変えるポイントは、脱プラスチックとリサイクル済みの素材もしくは後々リサイクル可能な素材の使用ではないでしょうか。PENONは特にそうした点にアプローチした製品です。
また、ボールペンを含む文房具は食料品とは異なり、なかなか生産現場が想像しにくいですが、バナナペーパーボールペンは、原料・生産過程での人の関わりが見えることが新しい部分に感じます。
身近にあるボールペン、まずはここからエシカルに変えてみてはいかがでしょうか。