家庭の生ごみを堆肥にチェンジ!コンポストに挑戦してみよう
家庭で料理や食事をすると、野菜の皮やヘタ、卵の殻、肉や魚の骨など生ごみが出てしまいますよね。皆さんはどのように処理されているでしょうか?お住まいの地域によって回収方法は異なるかと思いますが、生ゴミや燃えるゴミとして処理する以外に、「コンポスト」という選択肢があります。
コンポストとは?
コンポストとは「堆肥」を意味する言葉。広辞苑では、「生ごみや下水汚泥などを発酵腐熟させた肥料」と説明されています。生ゴミが土中の微生物により分解・発酵されて肥料となる、という仕組みです。
ゴミ袋の購入を減らしたいという節約志向、家庭菜園を始める人の増加、環境問題への意識の高まりなどから始める人が増えている取り組みです。また、水分を多く含む生ゴミを焼却処理するのに多くエネルギーがかかっている、という社会的な背景からも注目されています。
コンポストでできた肥料は、野菜や果物を育てているプランターや畑に撒くのが一般的です。活用先がない場合は、生ゴミ堆肥を回収している自治体もあります。気になる方は自治体に問い合わせてみてください。
(例)川崎市
コンポストの種類あれこれ
コンポストにはいくつか種類がありますが、ここでは集合住宅にお住まいの方でも取り組みやすいものをご紹介します。予算や確保できるスペースなどを踏まえて選択しましょう。
①密閉型
こちらは、酸素を必要としない嫌気性の微生物を利用して分解するもの。撹拌する必要がなく、臭いが抑えられ、虫がわきにくいのが特徴です。
②処理機型
こちらは、「生ゴミ処理機」という名前で利用されているもの。バイオ式、乾燥式、ハイブリッド式の3種類があり、使う側の手間は少ないのですが、初期費用が少しお高めです。
コンポストの費用を補助してくれる自治体もありますので、1度問い合わせてみてはいかがでしょうか。
(例)鎌倉市
③段ボール型
こちらは、コンポストを始めようと思ったときに安く始められるもの。基材(ピートモス、籾殻くん炭)に生ゴミを入れていき、毎日かき混ぜます。3週間ほど熟成すれば堆肥が出来上がります。ただし、耐久性が低いので段ボールは2重にした方が良いでしょう。
④キット型
コンポストに必要なものが揃ったキットがあります。例えば、ローカルフードサイクリング株式会社が展開するコンポスト商品「LFC」のガーデニングセット。基材とバッグ、ガーデニング用土、種がセットになっていて、バッグに生ゴミを約4週間投入し、その後3〜4週間ほど熟成させることが対比ができます。そして、一緒についてくるプランターに堆肥と土を混ぜて種を植えれば、家庭菜園にもなっちゃうというもの。初心者におすすめです。
実際に「コンポスト」に取り組む社員に聞いてみた
社内でSDGsに関するアンケートを取ったところ、コンポストを実施している社員が数十名おりました。その中から、2名にどんなコンポストを行っているか聞いてみました。
熊谷市在住 Mさん父の場合
【コンポストのタイプ】電動生ゴミ処理機
【取り組み始めた時期】2003年6月頃
【きっかけ】生ゴミを次のごみ回収日まで溜めておきたくなかった。家庭菜園の肥料に活用したかった。ごみ収集をする方の負担を軽減したいということや、環境に配慮した行動をしたいと思ったから。
【おすすめポイント】臭いが出ず、細かな腐葉土状になるので、簡単に畑に撒けるのが良いところ。
さいたま在住 Kさんの場合
【コンポストのタイプ】電動生ゴミ処理機
【取り組み始めた時期】15年くらい前から。現在の処理機は2代目
【きっかけ】使用している人から勧められたのと、市から補助が出ると聞いて購入。環境に配慮したい、というよりは単に自宅から出るごみを減らしたかった。
【おすすめポイント】電気は使うけど、ごみは減らせるし、生ゴミの嫌な臭いもないし、肥料にもなるので、一石三鳥!ほんとにゴミが減る。
コンポストの注意点
コンポストをやる上では、いくつか注意点がありますので、確認しておきましょう。
①入れるものについて
入れていいものは、ご飯、麺、肉、魚、野菜、コーヒーカス、茶殻、廃油などです。ポイントは、水分が多いものは水を切ってから入れることと、生ゴミは小さく切ってから入れることです。また、野菜の芯、玉ねぎやニンニクの皮、魚の骨、卵の殻は入れても良いですが分解するのに時間がかかるので数日空けましょう。なお、牛骨、豚骨、貝殻などは分解できないので入れるのはNGです。
②入れる量について
1日あたり最大500gを目安に投入しましょう。多すぎると分解が追いつかないこともありますので、毎日小分けにして入れるのが良いかもしれません。
③臭いや虫について
もしも悪臭が発生した場合は、下からよく混ぜることで改善することが多いです。また、屋外にコンポストを設置する場合は、防虫ネットをかけたほうが良いでしょう。もしも虫が発生してしまった場合は、米ぬかやてんぷら油などを入れて温度を上げることで卵を死滅させられます。
おわりに
みなさん、いかがでしたでしょうか?大型のコンポストを設置することは難しくても、LFCコンポストのように、コンパクトで気軽に始められる商品もありましたね。ごみが出る量やスペースを踏まえて、自分にあったやり方でコンポストを取り入れてみてください。
【参考文献】
・LFCコンポスト「コンポストとは?やり方、方法、作り方、メリット、デメリット、種類、堆肥、特徴など」
・DANZEN「コンポストとは?3つの種類と基本的な使い方」
・AGRI PICK「室内にも置ける!段ボールコンポストを自作してみた」
・AGRI PICK「コンポストとは|おすすめ13選と自作方法、メリット・デメリット、虫や臭い対策などを徹底解説!」