もっと楽に、もっとエコに。「地球と自分に優しい引っ越し術」をご紹介!
2021年度も、残りわずかとなりました。年度の変わり目といった節目で多くなるのが、“引っ越し”ですね。引っ越しを経験したことがある方は想像しやすいかもしれませんが、梱包で使用した紙をゴミとして大量に捨てたり、大きなトラックを使用して荷物を運んだりと、面倒な引っ越し作業。捨てるモノが多く、もったいないなと歯がゆい思いをしている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は環境への配慮はもちろん、お財布に優しかったり引っ越し作業が楽になったりなど、自分にとってもちょっと嬉しい、「地球と自分に優しい引っ越し術」をご紹介します!
引っ越しによる環境への負荷は?
引っ越しの際に考えられる環境への負荷は、いくつかあります。まず1つ目は、梱包材・緩衝材のゴミが多く出るということです。梱包材・緩衝材を使わずに引っ越しをすることは不可能と言えますが、むやみに捨てるとかなりの量のゴミとなってしまいます。2つ目は、運搬車両からのCO2排出。大きな荷物を運ぶため車の利用は欠かせませんが、できることならCO2排出量を抑えた方法を選択したいところです。
ではさっそく次の章から、地球と自分に優しい引っ越し術を3つご紹介していきます。
1. 計画編:引っ越し前の購入・廃棄を見直す
引っ越しに向けて、まず行うのが引っ越しの準備を始める時期決めと荷物の仕分け。
引っ越しをする日になって捨てなくてよかったものを捨てることになったり、「考える時間が無いからとりあえず捨てる」ということになったりしてしまいがちです。
引っ越しが決まったらまずは計画を立てて、捨てざるを得ないものを買わないように、まだ誰かに使ってもらえるものを捨てないように考えてみましょう。
引っ越し前の余計な購入を控える
引っ越しが決まったら、普段の食品や日用品の購入頻度を逆算して、引っ越し日に食品や消耗品をできるだけ使い切ることを意識しましょう。
引っ越しの日には冷蔵庫の電源を落とすため、冷蔵保存の食品を移動させることは難しく、廃棄せざるを得ないことも。
また、新居でも購入可能な消耗品を引っ越し前に買ってしまうと、荷物が増えてしまいます。計画的な引っ越し準備は、節約・引っ越しの負荷軽減だけでなく、食品ロスの削減・トラックに積み込むモノを減らすことによるCO2削減にもつながるのです。
不要なものを手放す
持ち物を整理して「いらない」と判断したものは、「売る」「自治体の不用品回収を活用する」「寄付する」といった方法を取ることで、捨てずに手放すことができます。
近年ではフリマアプリを活用する人が増えていますね。業界シェアNo.1の「メルカリ」では、バーコードを読み取ることで商品カテゴリーや商品説明が自動入力されるサービスがあります。
商品の写真を撮影したり説明文を入力したりするのが手間に感じられることもあるかと思いますが、このような機能があれば簡単に、そしてスピーディーに出品ができますね。本や漫画をたくさん持っている人には特に便利な機能です。
とはいえ、売りたいものがたくさんあるとき、引っ越しの日が迫っているときは、フリマアプリで売れるのを待っている時間がないということも。
そんなときは、リサイクルショップなどへの持ち込み、その日中に金額査定をしてもらうのが良いでしょう。
中でもおすすめのサービスは、全国に700店舗以上展開中の総合リユースショップ「2nd STREET(セカンドストリート)」で実施している「ECO買取」。
これは、服飾雑貨の中で店頭に並べることが難しいアイテムを、1着1円で買取し中古衣料や工業雑巾(ウエス)などとして海外へ輸出する、という取り組みです。
筆者の所感ですが、これぞまさに地球にも自分にも優しい!毛玉がすごくて……調味料のシミが落ちなくて……というように、普通では売るのが難しそうな服飾雑貨もほとんど買い取ってくれます。「売れないだろうな~」と捨てる予定だったそのお洋服、一度2nd STREETに持っていってみることをおすすめします!
(※新型コロナウイルスの影響により海外への輸出ができないため、一部店舗では当面の間中止しています。詳しくは2nd STREETホームページをご確認ください。)
2. 荷造り編:“環境に優しい”梱包方法を考える
いざ「荷造りをしよう!」となったときに欠かせないのが、段ボールなどの梱包材や食器や壊れやすいものを包む緩衝材。引っ越しが終わればゴミになってしまいますよね。この梱包材や緩衝材を、繰り返し使える他のもので置き換えたり、再生素材や自然由来の素材から作られたものを使ったりすることで、環境への負荷は軽減されます。
「小型化」を意識する
梱包するモノが決まったら、できるだけ空洞のスペースをつくらないように小型化させましょう。
布団やダウンは圧縮袋で小型化させるということはすぐに思いつくかもしれませんが、Tシャツなどの柔らかい素材は畳み、小物はゴムなどで固定し、鍋や皿は重ね方を工夫して余計な隙間をつくらないように梱包することを意識しましょう。小型化させることで、梱包材や緩衝材が増えることや移動中に擦れて破損してしまうことも防げます。
緩衝材は自宅にあるもので代用してみる
一般的な緩衝材を使用する代わりに、タオルや衣服などの自宅にある柔らかいものを活用してみてはいかがでしょうか?
既に持っているものを使えば新たに緩衝材を購入する必要がなくなりますし、なおかつゴミも出ません。ハンカチやハンドタオル、バスタオルなど、包むもののサイズや埋める隙間に合わせて手持ちのものをうまく活用してみましょう。
再生素材や自然由来の素材から作られた緩衝材を使う
そうはいっても、どうしても新たな緩衝材が必要になる時もあると思います。そのようなときは、リサイクルされた素材や自然由来の素材から作られた緩衝材を用意しておくとよいでしょう。
たとえば紙加工メーカーの大昭和紙工産業は、マンガ雑誌などの古紙100%で作られたエコ緩衝材「ボーガスペーパー」を販売しています。エアー緩衝材やプチプチ緩衝材の代わりに、段ボール梱包時の隙間を埋めることができます。
梱包材の代用や中古の段ボールを検討する
段ボールのリサイクル率は95%を超え、環境負荷の低い資源ですが、それでもできるだけ使わない方法を考えたいですね。
たとえば、段ボールの代わりに普段使っているスーツケースやクリアケースが活用できます。エコバッグも新居に到着してすぐに使いたいものを入れておくのに便利です。
また、それでも段ボールが必要であれば、近くのスーパーやドラッグストアから段ボールを貰うことも一つの方法です。
特にドラッグストアで使われる段ボールはトイレットペーパーやサニタリー用品が入っているような、清潔で大きいものが多いので、引っ越しに最適です。新品の段ボールを購入すれば、費用や取り寄せる時間もかかりますので、節約・時短にもつながります。
3. 業者選び編:環境に配慮した引っ越しをサポート
引っ越し業者を選ぶときも、環境負荷の削減に向けてどのような取り組みをしているのか、比較してみましょう。たとえば、繰り返し使える梱包材を提供している引っ越し業者を利用することもおすすめです。
アート引越センターの「エコ楽ボックス」
お笑い芸人のサンドウィッチマンさんが出演のテレビCMでもおなじみ、「エコ楽ボックス」。
靴や食器、テレビなども、エコ楽ボックスで簡単に梱包が可能です。荷ほどきにおいても、通常の梱包であれば袋から出したり緩衝材を剥がしたりという少し面倒な作業工程も、これなら箱から出すだけなので、手間がかからず嬉しいですね。
またアート引越センターでは、“見積書の電子化”や“二酸化炭素(CO2)、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)の排出量を減少させる環境性能に優れたクリーンディーゼル車の導入”も進められています。
番外編:ミニマリストは“エコな引っ越し”上手?
最後に、「いっそのことミニマリストになってしまう!」という方法のご紹介です。
ミニマリストとは、「持ち物をできるだけ減らし、必要最小限の物だけで暮らす人」と定義されています(コトバンクより)。そもそも持っているものが少なければ緩衝材をたくさん使わずに済みますし、荷物の運び出しも楽です。
近年では、家具や家電のサブスクリプションサービスも登場しており、「持たない暮らし」の選択の幅が広がってきています。
家具・家電のレンタルが可能、豊富なラインナップが魅力の「CLAS」
人気の家具・家電をお得にレンタルできる「airRoom」
おしゃれな家具・家電を気軽に試せる「subsclife」
まずは気になる家具や家電を試してみて、気に入ったらそのまま購入できるようなオプションを用意しているサービスも複数あります。
家具や家電を買い揃える前に、まずはこのようなサービスも検討してみてはいかがでしょうか。
最近、Instagramで“#ゆるミニマリスト”や“#自称ミニマリスト”というハッシュタグを頻繁に目にするようになりました。
ストイックにモノの数を減らすだけでなく、「服は1着買ったら1着手放す」「趣味の楽器は必要最小限ではないけれど、気分を上げてくれるから手放さない!」など、マイルールを設けて自分なりのミニマリスト生活を楽しんでいる人も多いようです。
「もう引っ越しまで時間がない!」という方もいるかもしれません。
そんな方は、新しい住まいで「必要以上にものを増やさない」暮らしを実践すれば、またいつか引っ越しをするときに楽に準備ができ、手間もゴミも減らせておすすめです。
おわりに
いかがでしたか?
引っ越しにおいては、準備の段階から業者の選定まで、環境に配慮した選択をする機会はたくさんあります。
一つ一つの作業や選択を見直して、自分にも環境にも優しい引っ越しを目指しましょう!