
雨の日のモヤモヤを“晴れ”にする、傘との付き合い方
電車の中に置いてけぼりになる、持ち主不明な傘。
強風に煽られてひっくり返ったまま、道端に転がる傘。
傘でぎゅうぎゅうになり、まるで芸術作品のようになってしまった実家の傘立て。
雨の多い季節、手軽に買えるビニール傘にお世話になっている人も多いのではないでしょうか?中には、「雨が降るたびにコンビニで傘を買っていたら、いつの間にか傘の本数が増えていた」、「ビニール傘を買ったはいいけれど、すぐに壊れてしまって捨てる羽目になってしまった」というようなモヤモヤを抱えている方がいるかもしれません。
今回は、そんな傘にまつわるモヤモヤに向き合いながら、雨の日を快適に過ごす方法についてご紹介します。
日本は世界でも傘の消費量が多い?

日本洋傘振興協議会によると、日本では年間約1.3億本の傘が消費されています。
また、ウェザーニュースの調査では、1人当たりの傘の所持本数は、世界35か国の平均が2.4本であるのに対して、日本の平均は3.3本と世界で最も多い値となりました。
ウェザーニュース「Global Umbrella Survey Results」
ビニール傘は大切に扱われにくい?
日本トレンドリサーチのアンケート調査によると、ビニール傘をなくしたり置き忘れたりした方のおよそ6割はその後傘を「探さなかった」と答えました。理由としては「忘れたときにはすでに晴れていたので傘の必要がなくなったため」、「安物で特に思い入れもないから」などが挙げられています。
日本トレンドリサーチ「ビニール傘をなくしたり、置き忘れたりしたことがある方の6割が、その後「探さなかった」」
実際に警視庁の遺失物取扱状況(令和3年度)の主な物品の受理点数の「かさ類」を見てみても、拾得届の数に対して遺失届の数が大変少ないことがわかります。
このように、コンビニやスーパーで安く手に入れることのできるビニール傘は“いつでも買える”という考えから、あまり大切に扱われていないのかもしれません。
傘はリサイクルされにくい?
廃棄された傘がその後どうなるか、ご存知ですか?傘は、骨や中棒は金属、石突や露先はプラスチック……といったように、素材がバラバラで分別がしにくいのです。そのため、傘は燃えないゴミとして回収、処分されてしまっています。
手軽に購入できるビニール傘は私たちにとって非常に便利な存在です。しかし、便利だからと言ってゴミの問題を無視するわけにもいきません。それでは、できるだけ新しいビニール傘を買わず、雨の日を快適に過ごすにはどうすれば良いでしょうか?
ビニール傘を買わないために

朝は晴れていたのに、帰る頃にはザーザー降り。天気予報では雨が降らないって言ってたはずなのに……!?そんな風に困った経験はありませんか?
近年、ゲリラ豪雨のような異常気象が多発しています。上空の冷たい空気と太陽の日差しによって暖かくなった地表付近の空気がぶつかると大気の状態が不安定になり、強い上昇気流が発生します。それに伴って発達した積乱雲が大粒の雨を降らせるのです。
ゲリラ豪雨の特徴は、局地的に短い時間で大雨が降ること。夏は日差しが強いこともあり、ゲリラ豪雨が起きやすいとされています。
このような異常気象は正確な予測が困難です。天候の変化に対応できるように予め備えておきましょう!
雨雲レーダーで、急な雨に備える
これからどこで雨が降るのか、数時間先までレーダーで確認することができるサービスがあります。「tenki.jp」の雨雲レーダーは、最大15時間後まで雨雲の動きを知ることが可能です。
筆者は、おでかけの時や通勤時に「tenki.jp」の雨雲レーダーを確認して長傘を持っていくかどうか判断するようにしています!
雨雲レーダーのページをブックマークに登録するか、アプリをインストールしておくことをオススメします。
吸水性の高いカバーで、折りたたみ傘の持ち運びを快適に

筆者は通勤用リュックのポケットに折りたたみ傘と傘カバーを一緒に入れています。傘カバーは雨に濡れた折りたたみ傘を入れておくのに大変便利。中がマイクロファイバーになっていて、雨水を吸収してくれるのです。
また、予備の折りたたみ傘を会社のロッカーなどに入れておくのもいいですね。
アンブレラマーカーで、お気に入りの傘に
今使っている傘に、アンブレラマーカーをつけてみませんか?自分だけの目印をつけるだけで可愛くなり、愛着が湧くかもしれません。自分の傘が傘立ての中で紛れてしまうことも防げます!
★マスキングテープ

傘の持ち手にくるっとマスキングテープを巻いてみましょう。柄のあるデザインはもちろん、シンプルなものでも写真のように自分で絵を描いてみてもいいですね!
★リボン

プレゼントの包装についているリボンが家にあったら、アンブレラマーカーとして活躍させましょう!ただリボンを結ぶだけだと滑ってしまうため、小さなヘアゴムにリボンを通してから結ぶと取れにくくなります。
うっかり忘れてしまった!そんな時は?
傘のシェアリングサービスを利用する

駅などにシェアリング用の傘を展開している「アイカサ」というサービスをご存知ですか?専用アプリをダウンロードしておけば、いつでもどこでも傘を借りることができます。これなら、万が一の時も傘を持っていなくても安心ですね!
★使い方
スポットを探す
アプリのホームから近くにあるスポットを探すことができます。傘を借りる
アプリ内の「借りる」を押し、スポットにあるQRコードを読み取ります。ロックが解除されたら、傘をスライドさせて取り出しましょう!傘を使う
傘は下記でも紹介する『Ca et la(サエラ)』の「+TIC(プラスチック)」を使用。シンプルなデザインのものや企業とのコラボレーション仕様のものがあります。傘をスポットに返す
アプリ内の「返す」を押し、スポットにあるQRコードを読み取ります。ロックが解除されたら、傘をスライドさせて戻します。
※返す場所はアイカサのスポットであれば、どこでもOK!
★利用料金
使い放題プラン:月額280円
使った分だけプラン:24時間70円
U22応援プラン:何度でも0円
どうしてもビニール傘を買うなら?
リぺアラブルな傘が雨の日の相棒に

「Ca Et La(サエラ)」の「+TIC(プラスチック)」は自分で修理ができるビニール傘です。素材は金属を使わずプラスチックのみでできているため、錆びる心配がありません。風速約15mの風に耐えられる丈夫なつくりになっているのもポイントです。
また、張替の生地が販売されており、もし生地が破れてしまっても繰り返し使い続けることができます!
写真は筆者が利用している「Evereon(エバーイオン)」です。「+TIC」はシンプルなデザインですが、「Evereon」はビニール生地と骨組みもレインボーカラーで遊び心を感じるデザイン。雨の日でも気分が上がる可愛さも購入の決め手になりました。
捨てる、ではなくアップサイクル
不要になった傘を回収する「CASA PROJECT(カサプロジェクト)」。回収された傘はショッピングバッグやレジャーシートなどの新たな物に生まれ変わります。
今使っている傘が壊れてしまったら、ゴミとして捨ててしまうのではなく、また循環させることで気持ち良く手放したいですね。
おわりに

傘を大事に、長く付き合えるように。
この記事では、雨の日の必需品である傘にまつわるサービスをご紹介しました。この記事をきっかけに、傘を無駄なく使う方法を考えてみてはいかがでしょうか?
※記事中で紹介する商品やサービスは、編集部が独自に選定し、掲載許可を得た上で紹介しております。