食べて海の豊さを守る?栄養豊富でヘルシーな海藻「アカモク」が注目されるワケ
皆さんは「アカモク」という海藻を知っていますか?
邪魔な藻として捨てられることが多かったアカモク。一部の地域では古くから郷土料理で親しまれていて、実は栄養が豊富な食材です。今回は、栄養豊富で低カロリー、食べることで海の豊かさを守ることにも繋がるアカモクを特集します!
アカモクって何?
アカモクは、北海道東部を除く日本列島の他、朝鮮半島から香港までに分布する海藻です。成長は非常に速く、わずか1年間で全長5m~10mに成長します。
ゴミとして邪魔者扱いされてきた?
日本各地に生息しているアカモク。東北や北陸、山陰などの日本海側では酢の物や味噌汁の具材などとして食べられてきたものの、昆布やワカメなどの海藻類が豊富な太平洋側では食用とされていませんでした。浜辺に大量にうちあがったり、漁船のモーターやワカメ等の海藻養殖の網に絡まるため、漁業関係者からは「邪魔な海藻(邪魔モク)」と呼ばれていました。
“邪魔藻”だったアカモクが注目されるようになったワケ
アカモクについて調べてみました。主に浅瀬に群生し、藻場を形成し、水質を改善する効果に優れていることが分かりました。また、その藻場には、プランクトンやヨコエビなどの微小生物がたくさん生息していて、魚介類に棲み場や餌を提供したり、流れ藻として魚介類の生活の場となります。たとえば、ブリの稚魚の棲み場であったり、流れ藻に産卵するサンマやサヨリの産卵の場など。
さらに、アカモクの藻茶褐色の藻場は、直射日光による水温の上昇を防ぎ、海中の二酸化炭素を吸収し、里海の健全な生態系を構成する役割を担っているんです。
今、こうしたアカモクの力に光を当て、この藻場を養殖し海藻の森を回復させようとする動きが広がりつつあります。さらに、栄養価が高いことも分かっており、近年では健康や美容の面でも注目を集めています。
便秘解消をサポート
アカモクのネバネバ成分であるアルギン酸は、食物繊維のひとつ。腸内細菌によって消化されにくい性質があり、便量を増加させてお通じを促す効果があり、便秘解消に適している。食物繊維量は、ワカメ・めかぶよりも多い。
抗肥満作用
ネバネバ成分のもう一つが、脂肪燃焼を促進し、ダイエット効果があるフコキサンチンという成分。アカモクにはこのフコキサンチンが豊富に含まれている。
むくみの軽減作用
アカモクにはミネラル類が多く含まれている。特に、体内の水分バランスを整えてむくみの軽減に役立つカリウムや、不足しがちなミネラルのマグネシウム・カルシウムなどが豊富。
さらに、便秘解消、ダイエット、むくみ軽減だけでなく、美容、骨粗しょう症の防止の効果もあるようです。
また、アカモクの抽出液は保湿力や炎症抑制効果もあるということで、スキンケア製品も開発されています。
アカモク、編集部で食べてみた!
今回購入したのは、三陸産のアカモク。商品名にある「ぎばさ」は、アカモクの東北地方での呼び名です。クール便で届きました。冷凍されているので、賞味期限は購入から8カ月ほど先。長期保存が可能です!また、解凍・開封すれば食べられる状態で届くので何といっても楽ちん!
※生のアカモクを入手した場合は、付着しているゴミ等をきれい取り除く目的のため何回かゆすぐ必要があるのでご注意ください。
袋のまま冷凍庫から冷蔵庫に移動して3時間くらい置いておくか、冷凍庫から常温にもどして30分程度で解凍されます。コンビニメニューに一品追加するのもありですね。
小鉢に入れて、ポン酢をかけるだけ。かつおぶしをトッピングしてもよいですが、まずはポン酢のみで試しました。
かき混ぜてみると、すごいネバネバ!!このネバネバが食物繊維豊富で便秘解消やむくみ解消に効果があるんですね。
なんだか効きそうな感じです。
味は、芳醇な海藻の風味でポン酢と良い合います。また、ネバネバの中に細かく刻まれたアカモクのシャキシャキ感が感じられ、とっても美味しいです!思わずおかわりして食べました。
他にも、ダブルネバネバで納豆に混ぜたり、どんぶりぶっかけご飯にしたりするのも〇。
アカモクのネバネバは加熱しても無くならないので、お味噌汁の具にするのも美味しそうですね。
どんなところで購入できる?
アカモクは、海藻の一種としてスーパーマーケットの鮮魚コーナーでも販売されている場合もあるので、店員さんにアカモクが置いてあるのか聞いてみるとよいです。
また、日常的に食べる習慣のある地域が発信するアンテナショップでも置いているようです。取り扱うお店が近くにない場合は、通販で購入するのも手段の1つです。
おわりに
一部の地域では古くから食べられていて、栄養豊富でヘルシー、海にも良い影響をもたらすことがわかっていますが、まだ、産業としては途上中といえます。だからこそ、普段の食事に取り入れてることで海の生態系を守る取り組みを応援することにもつながります。食べることで環境を守るアクション、是非コメントで教えてください。
<参考文献>
・スーパー海藻まるわかり!教えて!アカモク先生『「アカモク」と「めかぶ」ネバネバ海藻を徹底比較!』
・朝日新聞DIGITAL『養殖アカモクの収穫始まる 4年連続10トン超目指し』