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新時代の靴?天然素材でつくられた「土に還る」スニーカーとは

木々の葉も鮮やかに色づき、行楽シーズンを迎えました。紅葉を見に行ったり、食べ歩きをしたり……たくさん歩きたい秋のお出かけで活躍してくれるのが、スニーカーです。
“デザインがおしゃれ”、“通気性が良い”、“歩きやすい”など多種多様なスニーカーがありますが、今回ご紹介したいのはなんと「土に還る」スニーカー
「土に還る」とはどういう事だろう、初めて見た時に一気に引き込まれました。調べれば調べるほど素敵なコンセプトと商品開発に、1人でも多くの方に知ってもらいたいと感じたのです。そんな地球にも自分の気持ちにもやさしいスニーカーの魅力をお伝えします。

「土に還る」スニーカーに注目が集まるワケ

「土に還る」スニーカーとして注目されている製品の一つが『SPINGLE MOVE(スピングル ムーヴ)』の手がける「サスティナブルスニーカー」です。
こちらは、天然皮革や天然クレープソールなど、埋めると土に還る天然素材を出来る限り用いており、環境に負荷をかけない製法を用いて開発が進められました。通常のスニーカーには、石油を原料とした素材が使われており、埋めても土に還すことができません。ゴミとして焼却処分した場合、二酸化炭素が排出され、気候変動につながります。一方でサスティナブルスニーカーは、石油由来の素材を使用せずに、天然素材を原料として作られているので、商品を使用後に土に還すことができます。

●SPINGLE MOVE
型式:SPM-260IL

https://www.spingle.jp/c/spm/spm-260il-beige

※完全に土に還すためには、温度や期間などの条件を揃える必要があります。

害獣の皮からできたアッパー:すべての素材へのこだわり

SPINGLE MOVEでは、皮革や天然ゴムなどの天然素材を使用しているだけではなく、革の調達にまでこだわっています。アッパーには、害獣として駆除せざるを得なくなったエゾシカの皮を使用。全国の森林や耕作地で鹿被害が深刻化する中、害獣として駆除されてしまった鹿の皮は捨てられてしまいますが、その皮をうまく活用することで靴として利用できています。
その他の素材も、ライニング(裏材)とインソールは通気性の良い豚革、靴ひもは牛革、ソールは天然ゴムを100%使用。多種多様な素材を使って、自然にどう還すことができるかを主眼に靴ができていることに驚きます。

デザインの良さだけでない技術力と品質の高さ

SPINGLE MOVEでは、スニーカーにはあまり使用しない多種多様な革を使い、それぞれの革の持つ素材感を活かすことで、さまざまな表情の靴を生み出すことに挑戦しています。また独自の製造方法をもち、技術力や品質の高さが海外で注目され、2004年にはパリコレクションやミラノコレクションにも登場しています。

リアルな履き心地は?愛用している方に聞いてみた

土に還るスニーカー(SPM-260IL)ではありませんが、実際に愛用している方に、購入を決めた想いや履き心地についてお聞きしました。

「お店で見た時に、デザインがかっこいいと思い、目にとまりました。お店の方に、アウトソール(靴底)は修理可能なので、ずっと長く履き続けられるスニーカーですよと説明され、気に入りました。軽い、柔らかい、履きやすい、の三拍子。また、長時間履いていても心地よく、何年も履き続けています。」

※土に還るスニーカーSPM-260ILではありません。

すり減りがちなアウトソールの修理が可能なため、気に入った靴を長く履き続けることができるのは嬉しいですよね。買ったものを大切に使うことで、大量消費を防ぐことができ、環境にやさしいポイントに感じます。

土に還るだけではない!続々登場しているサスティナブルな靴

引用:https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r03/html/hj21010202.html

近年、サーキュラーエコノミー(循環型経済) が着目されています。これはそもそも廃棄物を出さないために製造の段階からリサイクルや再利用がしやすい設計にすることです。土に還るスニーカーも、このサーキュラーエコノミーの考え方が取り入れられているものです。

土に還すほかにも、サーキュラーエコノミーの考え方に基づいたスニーカーサービスが存在しています。
例えば、2021年より、スイス発の高性能ランニングシューズ&ウェアメーカーの「On」が、サブスクリプションサービスを開始しました。Onのサービスで提供される靴は50%以上が植物のトウゴマから作られた素材から作られており、さらにサブスクリプションサービスの仕組みを通じて、使用後の靴をリサイクルに着実に回せるようになっているのです。

月額制のサブスクリプションに入ることで、サービス加入者は最新の靴や衣服を利用し、寿命を迎えた使用後の製品をその時点での最新モデルと交換できます。使用済みの製品はリサイクルされ新しい製品を作る原料となります。
このように、そもそも廃棄物がでないような製造過程をデザインすることでより循環型社会を作っていこうという動きが世界各地で見られています。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
環境に配慮した素材を使い、修理をしながら長く履き続けて大切にできる靴。手放す時まで、地球にも自分の気持ちにもやさしくいられるのが素敵だと感じます。次にお気に入りの靴を選ぶ時は、使う時のことはもちろん「さよならする時」のことを考えてみるのも良いかもしれませんね。

【参照サイト】
国立市「くつやかばんはどのように出せばよいですか?」
SPINGLE MOVE「天然素材にこだわったサスティナブルスニーカー」
J-Net21「第25回:土に返る素材のスニーカーで循環型消費の在り方を発信「株式会社スピングルカンパニー」」
Circular Economy Hub「ランニングブランド「On」、シューズのサブスクリプションサービスを2021年秋に開始予定」

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